▶︎スイッチ配線とは
スイッチ配線はその名のとおり、スイッチプレートを使って各所に電気配線を行うことです。
スイッチ配線はスイッチや照明器具の数で配線の形・経路が変わってくるため、配線図が複雑になることがあります。
ここではスイッチ配線の仕組みを解説します。
・スイッチ配線の仕組み
スイッチ配線はスイッチのON/OFFによって、照明器具の点灯/消灯などを切り替えます。
このとき配線はどのようにつながっているのかというと、
電源 → スイッチ → 照明器具 → 電源
というように電気が流れています。
すなわち途中のスイッチを操作することで、照明器具へ向かう電気を操作することができるのです。
これは単純なスイッチ1つ・照明器具1つの場合の例で、スイッチと照明器具が増えると配線図は複雑になっていきます。
たとえば照明器具2つ(A・B)・スイッチ2つ(A・B)で、
それぞれの照明器具がそれぞれのスイッチに対応しているとします。
このとき、
電源 → スイッチA → 照明器具A → 電源
電源 → スイッチB → 照明器具B → 電源
という二つの回路があるとみなすことができます。
この場合はA・Bのスイッチがついているスイッチプレートからは、
電源・照明器具A・Bの3つのルートがのびているため、3芯用のケーブルが必要であることがわかります。
▶︎スイッチ配線に必要なもの
回路だけ見ると電源とスイッチさえあればスイッチ配線になりそうですが、
実際に電気配線工事を行う際にはいくつか必要なものがあります。
・分電盤
分電盤とは名前のとおり、各部屋に電気を分ける役割をもった機器です。
おもにアンペアブレーカー・漏電ブレーカー・安全ブレーカーの、3つのブレーカーで構成されています。
俗にいうブレーカーが落ちたというときは、先にあげたブレーカーのどれかが落ちている状態のことです。
分電盤は各部屋で使用する機器の電源になるもので、当然スイッチ配線の電源にもなります。
・ジョイントボックス
ジョイントボックスとは簡単にいえばケーブル類の中継地点のことで、
ケーブル接続部の被覆がはがれている部分を保護する目的で使用されます。
ジョイントボックスにはいくつか種類があり、接続部にかぶせて固定するタイプと端子付きタイプに分かれます。
端子付きのものは端子にケーブルを接続することで、中継地点の役割を果たします。
ジョイントボックスはスイッチ配線においては、
スイッチの数や照明の数で分岐することが多いため、その中継地点としてよく用いられます。
・照明器具
スイッチ配線には、もちろん照明器具も必要になります。
照明器具には天井に取りつけるシーリングライトや天井からつり下げるペンダントライトがあります。
シーリングライトの場合は引っ掛けシーリングとよばれる配線用の器具に取りつけることが一般的で、
天井の形によっては固定器具をもちいて固定します。
ペンダントライトの場合はシーリングライトと同様引っ掛けシーリングを用いる方法と、
天井から垂れている配線に直接つなげる直結とよばれる方法があります。
直結を行う場合は電気配線を扱うことになるため、第二種電気工事士以上の資格が必要となります。