エアコンを設置する際には、エアコン専用回路が必要です。
専用回路がない場合、配線の電気工事を行い、専用コンセントを増設する必要があります。
標準回路のコンセントをエアコンで使ってしまうと電力が足りなくなるうえ、配線工事は電気工事士にしか行うことができないため、お客様への説明が必要です。
この記事では、エアコン専用回路の電気工事について解説します。
エアコンの専用回路とは
専用回路とはブレーカーから直接配線が引かれているコンセントのことをいいます。
反対にブレーカーから引かれており、照明や電気器具などを使用するための一般的なコンセントを標準回路といいます。
エアコンはほかの家電製品よりも使用する電力が大きく、標準回路を使うと電力が足りなくなって頻繁にブレーカーが落ちる可能性があるだけでなく、火災のリスクもあります。
そこで、ブレーカーから単独で配線されている専用回路を使うことで、エアコンを使うのに必要な電力を確保でき、安心して使うことができます。
専用回路がない場合は増設が必要
エアコンを設置したい部屋に専用回路がない場合は増設の電気工事が必要となります。
専用回路の増設は電気工事士の資格が必要なため、電気工事の専門業者が取り扱います。
増設の際はまず、分電盤に予備のブレーカーが余っているか確認し、余っている場合はそこから配線を伸ばして増設工事を行います。
ブレーカーに余りがない場合、分電盤増設の電気工事が必要です。
家庭用エアコンには100V用と200V用があり、200Vの設備がない場合は電柱から電線の引き込み工事と分電盤交換の電気工事をすることになります。
業務用エアコンの電気工事
業務用エアコンの場合も電気工事が必要です。
一次電源工事では室外機に三相200Vまたは単相200Vの電源をつなぎます。
二次電源工事では、室外機から室内機に配線する電気工事を行います。
パッケージエアコンと呼ばれる業務用エアコンの場合、室内機と室外機の間は制御信号を送電する通信線と室内機に電気を供給する電源線が必要です。
現地調査の際、お客様にしっかりと説明をする
お客様の中にはこれまで標準回路で使っていても平気だったから、と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
エアコンを安全にお使いいただくために、電気工事士はお客様に必要性だけでなく作業内容もしっかりとご説明の上、専用回路の増設工事を行う必要があります。
賃貸物件の場合は管理会社やオーナー様にあらかじめ許可を取ることも忘れてはいけません。
また、分電盤に余裕がない場合、分電盤の増設工事も必要になるため、現地調査をしっかりと行ったうえでの電気工事が大切なポイントとなります。