電気工事は戸建て住宅から大型のビル、鉄道電気工事など幅広くあります。
しかし、そこに常に付きまとうのが感電事故のリスクです。
電気は目に見えないため、十分に注意を払って作業をする必要があり、電気工事では感電事故防止など特別な安全対策が必要になります。
この記事では電気工事の安全対策について解説します。
感電事故の原因
感電事故の原因にはいくつかありますが、主に以下の3つが挙げられます。
同時に2つの異なる電圧がかかる線に触れる
「短絡」「ショート」という状態を作り出してしまうと感電事故が発生します。
電圧が異なる電線などを同時に掴んでしまうと、ショートで出来た回路に電流が流れてしまいます。
電圧がかかる電線や電気機器に触れる
感電事故で最も多いケースです。
2つの電線に触れた場合と違い、電線や電気製品などに1箇所だけ触れた場合、電気が人体を通して地面に抜ける流れが出来ます。
人体は約60%が水で出来ており電気を通します。
漏電箇所に触れる
漏電した箇所を触ることで人体を通って地面に電流が流れて感電します。
家庭でも起こりやすい事故です。
電気工事の安全対策のための服装・工具
服装
電気工事の際は長袖、靴、手袋も絶縁用を着用して作業します。
ベルトやライターなど金属類の着用はしません。
絶縁用の靴は足元の安全も考えて悪くなったら買い替えるようにしましょう。
脱ぎ履きしやすいスニーカータイプと高所作業などで履くことが多い長編タイプを両方用意しておくと良いでしょう。
電気工事用ヘルメット
電気工事に使用するヘルメット(保護帽)は一般作業用とは異なり感電防止素材で作られており、電気室内などで頭部への感電事故を防ぐ目的があります。
頭部への感電事故は命の危険に繋がる恐れがありますので、安易に一般用のヘルメットは使用せず電気工事用のヘルメットを着用しなければなりません。
電気工事作業時の点検も重要
電気工事の安全対策のためには作業時に点検をしっかりと行う事も大切です。
作業前に必ず、ブレーカー・電源を確認する、検電を行う、絶縁チェック・遮断チェックを行うようにしましょう。
また、通電合図を明確にしておき、作業員同士で共有しておきます。
電気工事で発生しやすい感電の原因の1つに電動工具によるものがあります。
電動工具と電線の付け根が損傷したことにより絶縁不良となってしまい、そこから漏電してしまいます。
このようなことを防ぐ為に、作業前にはしっかりと点検をし、損傷や異常を事前に察知することが大切です。
工具のメンテナンスを徹底するほか、不合格品の使用を避けるなど、工具による事故防止を徹底しましょう。
電気工事の事故防止のためには日ごろの心がけが大切
電気工事は人々のライフラインを構築する重要な役割を担っていますが、常に危険と隣り合わせです。
事故防止のためには日ごろの点検を徹底し、不備のある工具は使わない、安全な服装で作業する、など日ごろの心がけが大切です。
作業員全員が高い意識を持って電気工事の安全対策に努めましょう。