電気配線工事は木造やRC造など、あらゆる建築方法の建物で必要です。
木造住宅では壁裏や天井内に配線を行えば良いですが、RC造ではコンクリートがあるため配管が必要です。
今回は、RC造の配線電気工事で行う埋設配管について解説します。
RC造の電気工事では埋設配管で配線する
木造住宅の電気工事は電線を直接引いて配線を行います。
しかし、RC造は壁が鉄筋コンクリートのため、コンクリート内に配線ができません。
そこで、電線管を利用してケーブルを通す道を作ります。
これを埋設配管敷設作業と言い、配管にはCD管やPF管を使います。
RC造の電気工事の配線図面には、配管径のほか、ボックス、エンドカバーなど埋設配管に関する指示が詳細に記載されています。
電気工事士は図面に従うだけでなく、建物の内装の仕上がりもイメージして施工します。
コンクリート埋設配管の種類
電気工事のコンクリート埋設配管で使用する配管は「合成樹脂可とう電線管」です。
合成樹脂可とう電線管には「CD管」と「PF管」の2種類があります。
可とう電線管とは
可とう電線管とは簡単に言えば曲がる性質を持っている電線管のことを指します。
電線管を設置しようとするとき、まっすぐの電線管では途中で障害物に当たってしまうことがあります。
そこで、配線する現場の状況に応じて曲線を持たせて柔軟に施工するために可とう電線管を使用します。
CD管
CD管は耐燃性のない合成樹脂可とう電線管のことです。
色がオレンジ色をしており、耐候性が低く自己消火性もありません。
屋外に使用するとすぐに劣化してしまうため、コンクリート埋設専用となります。
CD管は軽量で切断が容易であり、安価であるため、コストパフォーマンスに優れています。
PF管
PF管は耐燃性が施された合成樹脂可とう電線管です。
耐候性、自己消火性を備えているので屋内、屋外でも使用できます。
PF管は色にバリエーションがあり、ベージュ、白、黒などがあります。
PF管も軽量で切断が容易ですが、耐燃性が施されている分CD管に比べて価格が高い傾向があります。
PF管には単相構造のPFS管と、複層構造のPFD管があります。
直射日光が長時間当たる場所ではPFD管が適しています。
建物の構造に合わせて電気工事を行う
RC造の配線電気工事に使用する配管について解説しました。
配線は建物の構造により施工方法が異なり、使用する材料も異なります。
電気工事士は配管系統図に従い、建物に適した配管と配線を行い、建物内で安全に電気が使用できるよう、施工しています。