電気工事の代表的な作業の1つに配線工事があります。
配線は建物の構造や施工場所の環境により、電線管が必要な場合があります。
その際、最適な種類の電線管を選び、折り曲げたり適切な長さに切断したりして配管をする必要があります。
今回は、電気工事の配管の役割や、電線管の種類、加工方法についてご紹介します。
電気工事の配管の役割
電気配管は、電線を通すための管です。
配管を用いるのは電線を保護することが主な目的ですが、電線を隠して見た目をすっきりとさせる役割もあります。
また、一度配管を行っておけば、電線を追加したい場合に比較的容易に施工ができます。
電気工事で使用する配管には合成樹脂製電線管と鋼製電線管の大きく2種類があり、電気工事の現場の環境や設置場所の材質を考えながら適切なものを選ぶ必要があります。
例えば地下に埋没する配管は耐久性を重視する必要があり、目に見える場所に配管する場合は見た目の綺麗さが求められます。
電気工事では配線方法はもちろん、電線管の選び方も重要なポイントとなります。
電線管の種類
電気工事で使用する配管には次のような種類があり、用途や環境によって適切なものを使用します。
CD管(合成樹脂製可とう電線管)
PF管(合成樹脂製可とう電線管)
VE管(硬質ビニル電線管)
HIVE管(耐衝撃性硬質ビニル管)
E管(ねじなし電線管)
C管(薄鋼電線管)
G管(厚鋼電線管)
PE管(ポリエチレン被覆鋼管)
電線を曲げるための工具
電気工事で配管をする際には電線管を曲げなければならない場合があります。
鋼製電線管を曲げるには「ハイヒッキー」や「ハイベンダー」といった工具を使用します。
ハイヒッキー
ハイヒッキーは電線管を自由に曲げられる工具です。
呼び19~31なら曲げ戻しも可能です。
電線管を少しずつ曲げます。
ハイベンダー
ハイベンダーは電線管の曲げ加工を90度までできる工具です。
一発で曲げることが可能です。
ステンレス電線管は油圧ベンダーを使用する
ハイヒッキーやハイベンダーはステンレス電線管には使用できません。
ステンレスは硬いため、強引に曲げようとするとつぶれたり変形してしまったりするだけでなく、工具が壊れてしまう可能性があります。
ステンレス製の電線管を曲げたいときは油圧ベンダーを使用します。
油圧ベンダーはサイズの大きい電線管にも使用します。
電気工事では環境・用途に合わせた電線管を選ぶ
電気工事では配線の場所、施工方法、素材により最適な電線管の種類が変わります。
電気工事士は、現場に最適な電線管を選択し、配管作業を行うことが求められます。